オーデマ ピゲ「タペストリー模様」とは?ロイヤル オークの文字盤の秘密

メイソン・ストーリーズmaison-stories.comハイブランドの魅力を伝える 深掘り

オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUETのアイコンである「ロイヤル オーク(Royal Oak)」は、その八角形のベゼルや、ステンレススチールの素材が大きな特徴です。

しかし、時計の顔である文字盤にも、この時計の「異端児」たる個性を決定づける、非常に重要な秘密が隠されています。

それが、ロイヤル オークの「八角形の秘密」の項でも触れられている、独特な「タペストリー模様」です。この記事では、このタペストリー模様が持つ芸術性と、オーデマ ピゲの職人技の結晶について深掘りします。

タペストリー模様とは?ロイヤル オークの「顔」

タペストリー模様は、ロイヤル オークの文字盤に施されている、規則正しく並んだ小さな正方形の凹凸模様のことです。これは、主に2種類あります。

  • プチ・タペストリー(Petite Tapisserie):最も細かい模様で、初代ロイヤル オークの「ジャンボ」などに採用されています。繊細で上品な印象を与えます。
  • グランド・タペストリー(Grande Tapisserie):プチよりも大きな模様で、より力強く、スポーティな印象を与えます。ロイヤル オーク オフショアなどにも採用されています。

この模様があるおかげで、文字盤は光の当たる角度によって様々な表情を見せ、独特の立体感と高級感を放ちます。

オーデマピゲ ロイヤル オークのタペストリー模様の文字盤のクローズアップイメージ画メゾン・ストーリーズ・イメージ

職人技の結晶:「ギヨシェ」の伝統技法

このタペストリー模様は、現代のほとんどの文字盤のように機械で型押しされたものではなく、「ギヨシェ(Guilloche)」と呼ばれる、伝統的な彫刻技法によって生み出されています。

  • 特別な機械:文字盤の製造には、100年以上前の「ローズエンジン旋盤」という特殊な機械を使用し、文字盤に直接、模様を彫り込んでいきます。
  • 熟練の職人技:この作業は非常に高度な技術を要し、わずかな力の加減や速度の乱れが、文字盤全体を台無しにしてしまうため、熟練の職人による手作業に大きく依存しています。

ロイヤル オークが「ステンレス製なのに高価」である理由の一つは、この手間と技術に裏打ちされた、唯一無二の文字盤のクオリティにあるのです。


タペストリー模様の衝撃と現代の進化

ロイヤル オークが登場した当時、この大胆で武骨なタペストリー模様は、優雅なドレスウォッチが主流だった時計業界に大きな衝撃を与えました。

🕰️ 時計の歴史を変えたデザイン

デザイナーのジェラルド・ジェンタは、このタペストリー模様と八角形ベゼルを組み合わせることで、高級時計に「スポーティでありながらエレガント」という、新しい価値観をもたらしました。これは、後のラグジュアリースポーツウォッチというジャンルの確立に不可欠な要素となりました。

🎨 CODE 11.59への継承

オーデマ ピゲは、新しいコレクションCODE 11.59にも、このタペストリーの精神を継承しています。CODE 11.59では、より現代的で洗練されたグラデーションのタペストリーが採用されており、伝統を守りながらも常に挑戦し続けるというオーデマ ピゲの哲学が表現されています。

オーデマピゲ(AUDEMARS PIGUET) 公式サイトはこちら
(公式URL: https://www.audemarspiguet.com/com/ja/home.html )


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