若くしてNYファッション界のトップに躍り出たデザイナー、アレキサンダー・ワン。
彼が世界的なブームを巻き起こした背景には、従来のラグジュアリーの概念を覆す独自の美学、すなわちストリートとラグジュアリーの融合にありました。
ここでは、アレキサンダー・ワンのデザインの特徴が具体的にどのようなものか、そしてその革新的なスタイルがどのようにして定番アイテムに落とし込まれているのかを詳しくご紹介します。
なぜ「日常着の革新」が世界的な支持を得たのか
アレキサンダー・ワンのコレクションは、それまでの「高嶺の花」的なモードとは一線を画しました。
彼は、日常のリアルなストリートウェアの要素を、最高級の素材と技術で再構築する手法を確立しました。
- ベーシックウェアの価値向上: Tシャツやスウェットなどの日常着を、最高の素材と緻密なカッティングで仕立て直し、モードの領域へと引き上げました。
- 都会的な美学: ブラック、グレー、ホワイトといった無彩色のシャープな色使いで、洗練された都会的なムードを表現。
- スポーツ素材の革新的な活用: ネオプレン(ウェットスーツ素材)やジャージー素材などをドレスやアウターに取り入れ、機能性と快適さをラグジュアリーに持ち込みました。
彼の提案したスタイルは、「着飾る」ことよりも「自然体でかっこいい」ことを重視する現代人のライフスタイルに完璧にフィットしました。快適で着心地がよいにもかかわらず、決してだらしなく見えない、計算し尽くされたデザインが魅力です。
アレキサンダー・ワンを象徴する人気アイテム
彼の「日常着の革新」というデザインの特徴は、特に以下のシグネチャーアイテムに色濃く表れています。
① ブランドの顔:キャッチーなロゴアイテム
ストリートウェアの文化を取り入れたロゴアイテムは、アレキサンダー・ワンのアイコンです。
特に、大胆なブランドロゴをあしらったウエストバンド付きのレギンスや下着、Tシャツは、ブランドのアイデンティティを象徴する定番です。ロゴそのものがアクセサリーのような役割を果たし、シンプルな着こなしを格上げします。
メゾン・ストーリーズ・イメージ
② タフで洗練されたレザー&デニム
「ロッカー・シック」なムードを演出するレザーアイテムも、ブランドの初期からのアイコンです。上質なレザーを使ったバイカーズジャケットやレザースカートは、反骨精神を感じさせつつも、緻密なカッティングで女性らしく着こなせるようデザインされています。
また、デニムも単なるカジュアルウェアではなく、切りっぱなしや大胆なダメージ加工、ユニークなシルエットで、モードな雰囲気に再構築されています。
③ ボールチェーンやメタリックなディテール
バッグやシューズ、ウェアの装飾として多用されるボールチェーンやスタッズなどのメタリックなディテールは、彼のデザインに欠かせないスパイスです。
都会的でシャープな印象を与え、シンプルなアイテムにロックでエッジの効いたアクセントを加えています。彼のアイテムは、ディテールへの徹底的なこだわりが光っています。
ファッション界におけるデザインの役割
アレキサンダー・ワンが生み出したスタイルは、その後のファッション界に大きな影響を与え、「アスレジャー(アスレチックとレジャーの融合)」といったトレンドの土台を作ったと言っても過言ではありません。
快適で着心地がよく、それでいてどこまでもかっこいいスタイルは、ファッション業界の基準を変えました。彼の服が持つ「かっこよさ」は、単なるトレンドではなく、「新しいかっこよさ」という価値観そのものを世界に提示し続けています。
Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)公式サイトはこちら
(公式URL:https://www.alexanderwang.com/jp-ja/)
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